―総説― 親子に寄り添いエビデンスに基づいた支援を呼びかける日本ラクテーション・コンサルタント協会による声明 ~2019年3月改定の「授乳・離乳の支援ガイド」を受けて~ が外来小児科(外来小児科学会機関紙)に掲載されました。 

投稿:2019年7月5日
受理:2019年12月26日
掲載:2020年2月

名西恵子1・2) 瀬尾智子1・3) 本郷寛子4) 所恭子5) 中村 和恵1・6) 加藤 育子1・7) 和田 友香8) 田中 奈美1・9) 奥 起久子1・10)

1) NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会学術事業部,2)東京大学大学院医学系研究科国際交流室,3)緑の森こどもクリニック,4)東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室,5)筑波大学大学院人間総合科学研究科看護科学専攻,6)国立病院機構岡山医療センター新生児科,7)香川大学医学部小児科,8)国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター新生児科,9)つくばセントラル病院産婦人科,10)東京北医療センター小児科

要旨 2019年3月,厚生労働省から「授乳・離乳の支援ガイド」改定版が出された。ガイドでは,支援にあたる基本的考え方の一つとして「母親等の気持ちや感情を受け止め,寄り添いながら適切な支援を行う」ことをあげている。保健医療従事者が「母乳育児すべき」あるいは「母乳にこただわるべきでない」などの言葉で規範を示し,すべきことを指示することは母親を傷つける可能性があり,「寄り添い」とは相反する。「寄り添う」支援では,保健医療従事者は,親が適切で十分な情報を得て自ら授乳の意思決定をすることを支え,親が選択した栄養方法を実行するために必要な援助を提供する。すなわち,「寄り添う」支援のためには,保健医療従事者に授乳と補完食(いわゆる離乳食)につ いてのエビデンスに基づいた知識や支援を提供できる能力が求められる。そこで,世界保健機関などの国際機関や米国小児科学会などの学会の推奨,最近のシステマティックレビューの結果などを引用し,(1)気持ちに寄り添う支援,(2)母乳育児の利点と現状,(3) 母乳育児のアレルギー予防効果,(4)母乳育児の肥満予防効果,(5)母乳育児期間を推奨する必要性,(6)産科施設での授乳支援,(7)乳児用調整乳を与えている場合の支援,(8)補完食開始後の授乳,(9)災害時の授乳について,日本ラクテーション・コンサルタント協会の見解をまとめた。
Key Words:母乳育児,補完食,授乳・離乳の支援ガイド,アレルギー予防,肥満予防

全文は『外来小児科23:2-12 (2020)』を参照ください。
外来小児科学会編集委員会より抄録掲載の許可を得ています。
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